富山のほたるいかがおいしい理由

ホタルイカ

ほたるいかで用いられる漁法

ほたるいかの漁法には、大きく分けて「定置網漁法」と「底引き網漁法」の2つの方法があります。

定置網漁法とは

海面に定置網を浮かべ、魚やほたるいかが入ってくるのを待つ漁法です。

この漁法では魚やほたるいかに対するストレスが少ないことや水揚げの際に傷がつきにくいことから品質を落とすことなく、おいしさを保つことが出来ます。

しかし、底引き網に比べると一度の漁で漁獲できる量が少なくなってしまいます。

定置網網httptoyamashi-gyokyou.jp04 (2)

底引き網漁法とは

底引き網は、海底まで網を下げ魚・ホタルイカを漁獲する方法です。

この漁法の特徴として、一気に多くの魚を取れる利点がある一方、海底から引き上げる際に、急な水圧や水流の変化によって魚・ホタルイカの品質が難点があります。

鉾引き網httptoyamashi-gyokyou.jp04 (1)

富山県と他県の漁法の違い

富山県では定置網漁法が行われ、他県は底引き網漁法を用いられています。
この2つの漁法の違いは、1度の漁における漁獲量の差と魚・ほたるいかの品質の差があります。

そして、富山で定置網が使われている理由は、地理的な利があるからです。

富山湾の海底形状として、沖に向かうにつれて急激に深くなって行きます。湾の水深は約1200mあり、海底には海底谷が刻まれており複雑な地形をしています。

海底谷(かいていこく、submarine canyon)とは、海底の大陸斜面に存在する渓谷である。海底谷は一般に大陸からの大河川の延長として海底へ連続的に伸び、最大距離数百km深度1kmに及ぶ。

Wikipedia

海底谷からの海水上昇と共にホタルイカが、海岸近くの海面まで浮上してきます。

そして、海岸近くに設置された定置網や海岸でホタルイカの姿を見れるというわけです。

また、

他県には海水上昇がないため、ほたるいかが海岸付近に上昇することがありません。

ですので、海底からホタルイカを漁獲する事しかできないのです。

近年続くホタルイカ漁不漁の原因

近年、ホタルイカの不漁が続いています。

その1つの原因は、底引き漁法による乱獲でないかと考えています。ホタルイカの産卵は、3月から5月の暖かい日の夜に海面付近で行われます。産卵後の生育には、ある程度の水温が必要であるため光と水温の影響がある海水面である必要があります。

底引き網漁によって深海のほたるいかを取ってしまうと、お腹に卵を持ったまま水揚げされてしまいます。

本来であれば海面付近で産卵するはずであったほたるいかの全体数が減り、来年に生まれるほたるいかの数が減っているのではないと考えています。

 昔はできなかった漁法の確立により、大量に産卵前のホタルイカを漁獲できるようになりました。

底引き網業者は、ホタルイカの不漁と底引き網漁の因果関係が証明されづ、関係ないとの立場をとっています。

しかし、私としては関係を見つける前にホタルイカが絶滅しては元も子もないので、漁獲制限を掛けるなどの措置を行って、漁獲量調査を進めてほしいと思います。

最後に

ほたるいかの定置網漁を行える場所は、世界でも富山湾しかありません。故に、ほたるいかが身投げを行う場所も富山湾沿岸しかありません。

世界的に見ても唯一無二の存在であり、守り続けなくてはいけない生態行動であると考えております。

このホタルイカを楽しみながら、守り続けていくことが大切です。

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